ヘタレとドSとツンデレと
「いや……俺は……」
否定しようとしたがあまりに期待の眼差しを送られたので、一瞬返答に迷ったが、良いことを思い付いた。
シノミヤは子供の目線に合わせるように屈む。
「プレゼントを考えてんだよ。お前、その豚好きなんだろ?俺はよく分かんねえから、お前が良いって思うやつを教えてくれるか?」
「プレゼント?うん、良いよ!」
瞳に輝きが増して、その子供はシノミヤの手を引いて店内へと連れていこうとする。
「お兄ちゃん、こっち」
「おい!」
子供が勝手に選んできた物を適当に買えば良いと思っていたのに、予想外の行動にシノミヤは店内へと引っ張られる破目になった。
右も左も視線の届く先は、ピンクの豚だらけである。ベビー服から、化粧品まで幅広く、益々よく分からない。