ヘタレとドSとツンデレと
「は?何の事よ」
訳の分からないアリスは訝しげな表情を浮かべると、羽柴は大袈裟な程の溜め息を溢した。
「看板に書いてあったでしょう?本日手土産を持たない者は入室禁止なのです。お引き取り下さい、アリス君」
「なっ!?」
「どうしました?ああ、もしかして、用意してくれていたんですか?それならそうと早く出して下されば……」
「あ、ある訳無いでしょ!大体、そんな言い分が通ると思ってるの?!」
「やはり通りませんか、残念です。長年連れ添った間柄の私には下さると思っていましたが……」
「夫婦みたいな言い方やめて!気色悪い!」
「冗談ですよ」