ヘタレとドSとツンデレと


どこまでが本気か全く読めない淡々とした口ぶりで答え返しては、美味しそうに紅茶を全て飲みきる羽柴に、アリスは振り回されたと今日も悔しさを滲ませる事しか出来ない。




からかわれる様なやり取りは毎度の事ながら、溜め息を溢さずにはいられない。




「生憎あんたの冗談に付き合ってられる程、暇じゃないの。今日は何の呼び出し?」


「チョコレートは欲しかったのですが、本日は連携会議を開こうと思いまして。東部や西部、南部北部、それぞれの情報交換の場を提供させて頂いたのです」


「ああ……成る程ね」


チョコレートのくだりは口実であるとアリスは勝手に理解する。羽柴は情報を手に入れる為に呼び出しただけだ。
どうりで羽柴の部屋の向こうは騒がしい。

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