ヘタレとドSとツンデレと

 元に戻ったナツキは自分の現実に明らかに戸惑いを見せながらも、新たな犠牲者を生み出さない為に羽柴を制止しようとする。




惚れチョコ、確かに羽柴には縁の無さそうなチョコレートだが、だからこそ、何か並々ならぬ嫌な予感、嫌な悪寒を感じたからだ。





 
「ふふふ。あんな少しの時間なら……私にだって、夢を追う権利は……ありますよ、ねえ?ナツキ君」






「ひっ……!」





そのフレーズをどこから聞いていたのか、口許のみ微笑みを浮かべた羽柴だが、やはり彼の碧眼は全く柔らかなオーラなど纏ってはいない。






むしろ、この押し潰されるような空気に馬鹿騒ぎを起こした三人組は固まってしまった。





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