ヘタレとドSとツンデレと

 やはり、本命なら本命で恐ろしいものは付いてくるらしい。


二人が強制的に会議室(ここ)へ閉じ籠っているのも理解できてきた。



「で、シノミヤは……その……新しい道を開拓したの?」



好奇心と同情からのナツキの問いかけに殺気がこもった睨みが返ってくる。




「開拓なんかするか!その場で簀巻きにして川に放り込んだ」



「残酷!仮にも一応、一応女の子だよ!?」




「女の子って表現出来る人種は、簀巻きを抜け出して、その夜に夜這いを仕掛けに来ねえよ!」




「あー……」





 全てを察したナツキはリュカにも的はずれな敬意を抱いていた。



その執念深さと行動力。

嫌われることを恐れない勇気。


ストーカーと勇者は紙一重なのではないかと言う間違った解釈も今ならしてしまいそうである。




恐らくは夜這いも失敗して床で再び簀巻きとなった彼女を想像しては拝みたくなった。



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