ヘタレとドSとツンデレと
「頑張って作らないと」
四人分の分量をはかりながら材料をボウルに入れていく。
作りはじめて分かることだけれど、料理というのはかなり力がいる。
生クリームを泡立てたりだとか、卵を泡立てたりだとか、とにかく体力と根気のいる作業が続いて、オーブンに入れる頃合いには、少し額に汗が滲んでいるのが分かった。
「これで後は一旦待つんだよね」
お手本の手順を確認しながらも、やはり上手く出来るか不安と期待が入り交じる。
何度もケーキ型に流し込んだタネを確認しながらも、今度はデコレーションに使うフルーツを切る作業が待っている。