オリオン座をみつけたら
出会い
「…新入生の子、だよね?」
屋上に座り込む私の背後から、戸惑った声後聞こえた。
「…はい。」
振り返る気も起きなくて頷いた。
涙がとめどなくあふれている。
「…これ、つかって」
誰かが私にハンカチを手渡してくれる。
「いえ。大丈夫です。」
「大丈夫じゃないよ。ほら、つかって?」
私の前に回り込み、しゃがむ人。
顔を上げると目の前に胡座をかいた男子。
鼻筋が通り、切れ長な目。しっとりとした黒髪が良く似合う。
かっこいい、単純にそう思った。
「ほら。」
ハンカチを受け取らない私の頬にハンカチをあてた。