その音が消える前に、君へ。



そんなこんなをしながら私達の部屋は笑顔の声で満ち、いつの間にか太陽が海の底へと沈もうとしていた。


時計を見ればもう7時を回ろうとしていた。


スケジュールによればこれからはグループ事に集まり、今後の研究発表のための研究課題の打ち合わせだった。


少し急ぎ足で指定されたホールへと向かい、グループメンバーの座るテーブルに着いた。


男子達はもう先に着いていて、待ちくたびれた様子だ。


その中の一人の榊くんは……どこか上の空。


気にしてはいけないと、リーダーのメガネくんの言葉に耳を傾けた。



「えー改めましてリーダーの荻野(オギノ)です。今回は明日からの研究課題の意見や案を提案してもらいたいです」



慣れた口調で司会進行をしていく荻野くんに、心の中で真面目な奴で良かったとほっとする。


これでまとめるのが下手な場合、だらけて進みどこかで揉め事が生まれる可能性がある。


今回はそれがないような雰囲気に感謝するしかない。






< 34 / 142 >

この作品をシェア

pagetop