White girl
何も言わない私に呆れたのか、
行くぞ。と、強引に腕を引っ張ってきた。
え、ちょっ。
「ま、待って!」
「何だ」
男はぶっきらぼうに返事をしながら足は止まる気配がない。
向こうはそんなに力は使っていないんだろうけど、
私が非力すぎて抵抗ができない。
「ほら!えーっと、授業始まるし…」
「まだ30分もあるぞ」
えぇ…意外と寝てる時間短かったのね…。
日傘なんて差してる暇ないし、抵抗してる内に
メガネが落ちてしまった。
もうすぐ日陰から出てしまう。
あ、やばい………。
「離して!!!」
………何年ぶりだろう。
珍しく私は声を荒らげた。
向こうも少しだけ肩を揺らし、動きを止めた。
ゆっくりとこちらに顔を向けてきたけど、私は怖くなって目を逸らした。
その瞬間
「うぁっ…!!!」
目に激痛が走った。