White girl
「それじゃあ入ってきなさい。」
ガラガラガラッ
教室が一気にざわめきだす。
あぁ、このクラスなんだ…。
そう思って面倒くさそうに見た瞬間、
私は固まった。
ゆっくりと教室に入ってくる男が二人
先生に促されて自己紹介を始めた一人目の男は
「……桐ヶ谷 仁(キリガヤ ジン)」
…あの男だった。
クラスの人の声が一層ざわつく。
女子は顔を赤くして、こそこそと歓喜の声をあげていて……
そして男子は興奮しながらも尊敬の眼差しで
二人を見ている。
「流川 涼(ルカワ リョウ)です。よろしくお願いします。」
無愛想な仁という人に比べて、二人目は優しそうに笑いながら礼儀正しく挨拶を済ませた。
二人が挨拶を終えると声のボリュームを抑えていた生徒が、一気に騒ぎ始めた。
「超イケメン!!////」
「ホントに本物!?!?」
この人達が柳凰のなんとかなんだろうな……。
モデルか何か?とも思うくらい二人の顔は
完璧に整っていた。
仁という人は朝も会ったけど…。
ダークブラウンのサラサラな髪に切れ長の目をしている。
……一番後ろからでも、あの目は少したじろぐ。
さっきはよく見てなかったけど、鼻筋が通っていて唇も薄くて…
下手したらその辺の雑誌のモデルよりも顔がいいかも。
…まぁだからって特に何も思わないんだけど。