White girl




屋上の扉に手をかけると、少し空いていることに気づいた。



……誰か居るのか?



構わず扉を開けると、見えるのは
澄んだ青空と、陽の当たる少し汚れた
コンクリートだけ…


しかし人の気配はする。



学校だから警戒する必要は無いのだろうが、辺りを見渡した。




すると涼が気付き、貯水タンクの後ろを指さした。



その影から地面に置いてある女のような指先が見える。



近づいてみると、さっきのあの女が
タンクにもたれ掛かって眠っている。



…よく寝る女だ。



でも朝見たように魘されてはいないようだから
そのままにしておく事にした。



「この子だよね?荒川 雫ちゃんだって。」


いつの間にかノートパソコンを広げていた涼が、淡々と情報を読み上げる。


「咲凰高校2年生。身長は160cm、体重は…
まぁ伏せておくよ。生年月日は
2000年12月24日、現在父親と二人暮らし…」



それだけ読むと涼はこれだけ?と驚いていた


確かに、少なすぎる。

普通は一般人でももっと載っているもんだ。



もっと調べてみるよ。と言うが、すぐにパソコンから警告音が鳴った。


「ダメだ、強固なフィルターがかかってる」


…なんだと?


「こいつ…何者だ…?」





するとさっきまで閉じていた瞼が
ゆっくり開き、その大きなツクリモノの目が
こちらを見上げた。






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