White girl
廊下で色々な人達が歓喜の声と黄色い悲鳴をあげながら、その中を堂々とターゲットが歩いている。
容易く見つけられた私達は、人集りをかき分けながら進んだ。
ちょうど道がかき分けられた所まで来ると、すぐさまミカは仁の方に、マイは涼の方に向かった。
「仁様っ!おはようございます!突然なんです
けど、今日放課後空いてますかぁ?」
「涼様ー!連絡先交換してもらうことって
出来ますかぁ!?」
後ろでその様子を見ていた私はその豹変ぶりにちょっと引きながらも、
あれ程派手に行けば相手するだろうと思って
人混みに紛れようとした。
その時
「待てよ」
人混みの中でもハッキリと聞こえる低い声
そして掴まれた左腕
……まずい。
「痛った!!」
私が悲痛そうに顔を歪めると、その手の主は
は?と声を出して少し手を緩めた。
今だ…!
私は勢いよく手を振り切って手が解放されたことを確認すると、人混みをかき分けて
「チッ、おい!!!」
そのまま走り出した