White girl
「……ふぁー…」
授業が終わり、大きな欠伸をしながら背伸びをした。久しぶりにちゃんと授業を受けたから、座りっぱなしで骨が軋む音がする。
人がガヤガヤと教室から出ていく中、私もその流れに乗って帰ろうとしていた。
けど、それは目の前に立った人によって阻まれた。
「雫ちゃん、ちょっといいかな。」
「涼…さん?」
タイミングも人物も予想外だった私はただ唖然としていた。
「これから、僕達と一緒に来てくれないかな?」
…またそれか。
この人達との接点なんて“アジト”ぐらいしかないから、なんとなく予想はついたけど…。
私に強硬手段が効かないと踏んだのか、
“やさしそうな人”を使ってくるなんて…
私は横でロッカーに寄りかかっている横暴男をキッと睨みつける。
「どう?雫ちゃん」
その声に遮られて私は既に決まっている答えを出す。
相手が誰であろうと行く気なんて起きない。
「そんなの行くわけ「おい」」
被せてきた声の主は横の偉そうな男
不服な視線を向けるとそのまま言葉を続けた。
「お前、友達に売られたのな」
「…は?」
一瞬、理解ができず素っ頓狂な声が出る。