White girl
そのまま歩みを止めることなく外に出てきた私達。
校門のすぐそばに黒いベンツが止まっている。
あれに乗せられるということは、鈍い私でも察しがついた。
けれどそのまま連れていかれる訳にもいかない。無意味な反抗は止めず、ひたすら「離せ」を連呼している。
…そうだ!肩から降ろしてもらった瞬間に
また走って逃げよう!
心の中で無駄な抵抗だ、と嘆きながらも私は諦めることはしなかった。
この前あの男に言われたことも覚えてるし、
何より私にだってプライドぐらいある。
そんな考えを無慈悲に裏切るように車の前に着いたとき、私の体はまたふわりと浮いた。
よし、今だ!………あれ?
いっこうに足が地面に着く気配がなく、自分の格好を見てみると
その男にお姫様抱っこをされていた。
えぇ……。
そのままあっけなく私は車に乗せられた。