White girl
暴走族
「雫ちゃん。ここが僕達のアジトだよ」
ここが……
大きな倉庫のような建物に、
周りには大量のバイクが綺麗に止まっている。
「もっと汚い所かと思ってた…。ほら、大量のスプレーの落書きとか。」
それを聞いた涼はハハッと笑う。
「僕達は汚いことをするのは趣味じゃないからね。」
「へぇー…」
あたりまえかのように、仁に抱きかかえられたまま倉庫の扉の中へ入っていく。
「ちわっす!仁さん!涼さん!」
一人の下っ端らしき人が声を上げると、
他の大勢の人も続けて挨拶をしてきた。
そして私に気づくと皆目を丸くしている
…そんな見ないでほしいなぁ。
「仁、もう降ろして」
私は少し恥ずかしくなって、服をクイッと引っ張りながら言うけど全く聞いてない。
そのまま真ん中の道を抜けて、スタスタと
階段を上がっていく。