White girl
私の心境を察したのか、
涼がにっこり笑って私の頭をなでる
…あ、そうだ。時間!
バッと窓の外を見ると、日が沈み始めていた
「私、そろそろ帰るね…」
あの男が待っている家に。
「待て」
仁に呼び止められて、意味深な目を向けられる
その、紺色の瞳
私が家に帰りたくないというのを悟られそうで、
「なに?仁。送ってくれるの?」
と、わざとらしく聞いてみる
はぁとため息をついた仁は
私の手を引いた
一階の一際目立つ所に止めてある紺色のバイク
近くにかけてあるヘルメットを私に投げると、
手際よくバイクのエンジンをかけ始めた