White girl
「着いたぞ」
そしてやって来たのは家の近くの公園
さすがに家の真ん前はまずいからね。
ありがと、とお礼をいいながらヘルメットを脱ぐと
すぐそこまで顔が迫っていた
「…まだ決めた訳じゃないから」
肩を押してキスを寸止めにすると、
また不機嫌になった
そうそう思い通りにはさせない。
ヘルメットを無理やり返すと
それじゃあ、と帰る意を伝えて
私は踵を返した
「雫」
だいぶ進んだところで呼び止められる
振り返りはしなかった
「逃がさねぇからな」
はっきり聞こえたその言葉を
私は聞こえないふりをしてその場を後にした
…なぜか苦しい胸を押さえながら____