White girl

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「あ、起きた。」


おはよー、詩音が駆け寄ってくる


…ずいぶんゆっくり寝た気がする。

時計を見ると、もう11時だった


「私、めっちゃ寝てたね」

「ふふっ良いことだよ!朝とお昼一緒でいい?」

私は「いいよー」と返しながら、顔を洗いに行く

鏡に写る私の顔

殴られた左目の充血は治ったけど、アザは色濃く残っている。


…眼帯で隠れるかな?


その心配をよそに、お腹がぐ〜っと鳴った


「雫ー!ご飯たべよ!」


タイミングがいいその掛け声に、私はまずお腹を満たすことを第一に考えた。




珍しく綺麗なオムライスがテーブルに並んでいる

奥のキッチンには皿の上にダークマター


頑張ったんだね……。


「これが私の最後の料理だからねぇ…味わって食べなさい!」


「うん…。ありがとう。」

今日の午後には詩音は帰ってしまう


「…あ、のさ、」

「んー?」

「詩音…。私の、と、友達になってくれない?」

ついに言った…。

詩音が帰るまでにお願いしようと決めていた言葉


きょとん、とした詩音は
「もう友達じゃないの?」と返す


「へ……」


「じゃなかったらこんな事続けてないよー!」そう、けたけた笑っている



良かったぁ…と安堵の息をもらす私


「冷めちゃうから早く食べて!」と急かされて食べたオムライスは、今までで一番
美味しかった________





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