White girl





私のケガのことについては一番最初に気づいていただろうけど、あえて触れないでいてくれた


今の私はごまかせる自信がないので、その気遣いは普通にありがたかった。



「それにしても…珍しいな、女がいるなんて」


「なんで?」


「ここ、女子禁制なんだよ」


「……えぇ!?」


し、知らなかった…。

私…居て大丈夫なの?


「誰の女だか知らねぇけどよ、他の奴が帰ってくる前に隠れとけよ…。堂々としていいのは姫だけなんだからな。」


「…わかった。」


そうか、まだ私のこと知られてないんだ。

心が痛くなりながらも、私は黙っていることにした。


「お、そろそろ戻った方がいいんじゃねえか?」



そうだな……。




じゃ、とバイクの手入れに向かうレンに駆け寄る


「ねえ」


「うわっまだあんのかよ」


「最後に…レンに漢字をあげる。」


「……はっ?」



向こうの反応を待つこと無く、私は地面に
『憐』という字を書いた。



難しそうにしていたので、丁寧に書き順まで
教える



「おぉー…!」と声をあげる憐



「今日のお礼だよ」

それだけ言って階段へと足を進める



「ありがとな!!!」



一番の笑顔を見せて、憐は作業場に戻っていった





なんだろう…胸がまた少し温かくなった





< 81 / 107 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop