White girl
私のケガのことについては一番最初に気づいていただろうけど、あえて触れないでいてくれた
今の私はごまかせる自信がないので、その気遣いは普通にありがたかった。
「それにしても…珍しいな、女がいるなんて」
「なんで?」
「ここ、女子禁制なんだよ」
「……えぇ!?」
し、知らなかった…。
私…居て大丈夫なの?
「誰の女だか知らねぇけどよ、他の奴が帰ってくる前に隠れとけよ…。堂々としていいのは姫だけなんだからな。」
「…わかった。」
そうか、まだ私のこと知られてないんだ。
心が痛くなりながらも、私は黙っていることにした。
「お、そろそろ戻った方がいいんじゃねえか?」
そうだな……。
じゃ、とバイクの手入れに向かうレンに駆け寄る
「ねえ」
「うわっまだあんのかよ」
「最後に…レンに漢字をあげる。」
「……はっ?」
向こうの反応を待つこと無く、私は地面に
『憐』という字を書いた。
難しそうにしていたので、丁寧に書き順まで
教える
「おぉー…!」と声をあげる憐
「今日のお礼だよ」
それだけ言って階段へと足を進める
「ありがとな!!!」
一番の笑顔を見せて、憐は作業場に戻っていった
なんだろう…胸がまた少し温かくなった