White girl
ちらっと顔を覗かせると、仁はただこちらを見下ろしていた
何を躊躇ってるんだ私…。
もしここで気味悪がられたら万々歳じゃない。
けどまた体がカタカタと震え始めた
仁は、軽いため息をすると
「大丈夫だから、出てこい。」
今までに無いくらい優しい声でそう言った
キイィ…
扉が音を立てて、ゆっくりと全開になる
「…………」
私の全身を見ると、仁は少しだけ目を大きく開いた
しばらくそのまま私を見つめる
その、いつもの目で。
何も言わない仁にさすがに不安になり、そのまま少し後ずさりする
するとそのまま、私は温かい体温に包まれた。
またふわり、とシトラスの香り
優しく、私の体を壊さないように抱き締める
蓮さんの時とは違う…この温もり
都合の良い私の体は、
今までの嫌悪感なんてすっぽかしてこの場所に安心を求めていた…。