White girl
「ごめんね、決まりなんだ。」
先に謝られても……。
これから何をするのか全くわからない私は、ただ
させるがままにバルコニーへと進んでいった
「眩しっ…!」
大量のスポットライトに思わず目をつぶる
段々目が慣れてくると、そこには大勢の人集りが
できていた
そして皆がこちらを見上げている
そこで呑気にスポットライトはバイクのライト
だったのかぁ、と気づく
「聞け!!!!!」
初めて聞く涼の大声
顔つきもさっきとまるで別人のようになっていた
そして辺りがシーン…と静まる
「おい、お前ら」
決して大きくはない、低く唸るような声に
場の空気が一気に張りつめる。
「こいつは今日から俺の女だ。今日から
死ぬ気で守れ。」
え…………
そして私の背中を押し、前に出す。
「姫ーーーー!!!」
「うおおおおおお!!!」
と、同時に一気に浴びる歓声
ビリビリと空気が振動している…
二人の長としての一面に気を取られて、
突然の発表に私は完全にぽかん…と間抜けな顔をしていた。