White girl
手探りでベッドを探すけど、見たことない部屋でそれが成功するわけない
私はうろうろと滑稽な姿をさらしていた。
「うわっ」
突然私の体はヒョイとお姫様抱っこされ、
ふかふかのベッドの上に降ろされた。
仁の香りがする……
ダメダメこれじゃ、変態みたいじゃん!
パチ
部屋の電気が消されて、仁がベッドに入ってくる
前が見えない分、きしむベッドと人の気配に緊張してくる。
動きが止まってそっと枕を外すと、お願いした
通りこちらにちゃんと背を向けていた
ちょっとずつ近寄って、仁の背中に手だけ寄せる
手のひらにじわじわと伝わってくる体温
…さっき自覚したけど、この体温が好きだ。
触れた所から私を満たしてくれる
「仁…起きてる?」
「……何だ。」
「なんで仮の姫なのにここまでしてくれるの?」
まだ全然お互いのことを知らないのに…。
「…さぁな。」
仁はどんな顔をしてるか分からない声で返事をすると、そのまま寝てしまった。
私、仁にどういう感情を抱いてるんだろう。
恋はしたことないけど、これは恋ではない。
ちょっと距離が近くなったからって浮かれるほど私は馬鹿ではないはず。
もや、もや、
私は眠るまでの間、このすっきりしない気持ちが何なのか…ずっと考えていた。