White girl
特に何事もなく授業が終わり、
『今日は倉庫には行かねえぞ』と言われて私達はそのまま帰ってきた
珍しいな。何かあるのかな…?
ガチャリ
「おじゃまします…」
「おい」
この家を出入りする度にそう挨拶しちゃう
その度に仁に怒られるんだけど…。
だってご両親の顔も見てないのに
「ただいまー!」なんて言える訳ない。
ドタドタドタドタ
「雫ちゃーん!!」
「!?」
入るなり抱きついてきた高身長の女の人
きらびやかな真っ赤なドレスを着ていて、
ブロンドのサラサラな巻き髪
「初めまして!やーん、かわいい〜♡」
一回離して私の顔をまじまじと見ると、もう一回強く抱きついてくる
二十代に見えるその人は、
化粧は全く濃くないのに派手な顔をしていた
化粧要らずなんて羨ましい。
ていうかこの目、仁に似てるような…
お姉さんかな?
「おいババア、離れろ」
「仁、駄目だよ。お姉さんにババアなんて…」
そう言うと、二人の目が丸くなる。
「あらやだ、お姉さんなんて!!仁、この子
もらっていい!?」
不機嫌に「ふざけんな」と返す仁
「え、あれ?」
「雫、こいつは俺のお袋だ」
…………。
「ええぇ!?!?」
わ、若い…!