自分の正体

葵が言ってた一週間がたった。
ちょうど今日は新月の日。俺が一日中人間の姿になってる日

一旦戻りたいな…いや…まだ母さんのことわかってないからきちんとわかってから会いに行こう…
電話ぐらいしようかな…



杏奈(母):「もしもし?零。どうしたん?」
零:「どうしたって…たまには電話しろって言ってたじゃん」
杏奈:「あはは、何かわかったの?」
零:「うん。でもまだ仮説なんだ。だからきちんとわかってから会いに行くから。」
杏奈:「ええ、待ってるわ。どうする?高校、一応休業扱いにしてもらってるけど…」
零:「…ん……やめようかな。多分もう戻らないから。でもそこの家には時々戻るから」
杏奈:「はーい。じゃ待ってるねー…あそうそう友達?来てたけど…」
零:「……引っ越したって言っといて。それ以上言うな」
杏奈:「わかったわ。来る前電話してね〜」



なんであいつが…家に来たんだ…


葵:「零?電話してたの?」
零:「ん?ああ、葵か。そ、母さんにね。」
葵:「そう…。まだ治りきってないから安静にしててね」
零:「こんな状態で無理するほど馬鹿じゃないから。なあ、今までずっと安静にしてたけどまだ治らないの?」
葵:「人間の治癒能力だと、まだかかるよ。でも夜の間は獣の姿になっているから人間よりは早く治ってるよ」
零:「そうなのか…あ なあ、俺の髪って何色?」
葵:「え?黒色だけど?まあ若干茶色もあるけど。でもなんで?」
零:「夜に鏡見たら灰色っぽかったからさ」
葵:「見間違えなんじゃないの?」
零:「だよな」

葵:「じゃまたあとでね」
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