【完】溺れるほどに愛してあげる
「可愛い!可愛いよ〜!」
入園してすぐにグッズコーナーへ走ったあたし達。
だってお揃いでかぶるの夢だったんだもん。
カップルのキャラクターのカチューシャをお互い付け合う。
やっぱり格好いい人は何を身につけても様になるね…
格好いいし可愛い。
最強じゃないか…
「そう…?
優愛の方が可愛いと思うけど」
やだなぁ、お世辞が上手。
なんて、いつもなら赤面してしまうところをこうやって言えるのは今とても浮かれてるからなんだろうな…
「決定!」
混み合う店内をなんとかレジまでたどり着いて会計をする。
周りから見たらあたし達、ちゃんとカップルに見えるかな…?
頬が緩みきってしまって真顔になれない。
「ニヤケすぎ」
「だって嬉しくて!」
誘って良かったな〜って、また思う。
「俺も、すげぇ嬉しかった。
柄にもなく浮かれてたよ」
誘ってくれてありがとう、なんて柔らかく微笑む金田はカチューシャの効果も相まってより一層あたしの胸をドキドキさせた。