【完】溺れるほどに愛してあげる


「…お待たせっ」





陸くんが行ってしまって、暇を持て余していたあたしの元へ戻ってきてくれたとっこ。



…ただ、笑顔が引きつってるような…?





「日誌の書き方にケチつけられた」

「そりゃあ、あれだけ適当に書いたらね」





ちょっと変だったのはそれが理由かな。

うん、納得。





「帰りに何か食べて帰る〜?」





ケチをつけられたというとっこを気遣って…ってわけじゃなくただ自分が食べたかっただけなんだけど…


甘い、美味しいのを食べたらこのもやもやした気持ちが少しでも晴れるんじゃないかって。


…そんなことあるはずないのに、期待して誘ってみた。





「ごめん!今日はちょっと…」





だけど、あえなく玉砕。


深い理由は聞かず諦めた。





「また明日ね〜!」

「うん、明日!」





ぶんぶんと手を振って別れる。


1人になると、やっぱり考えてしまうんだ…


この後どうするかってこと。


結論を求めているはずなのに、


嘘をつきたくない。

でも離れたくもない。


その対立した想いが堂々巡りをするだけ。


結論なんか出るはずがない。


…ううん、出したくないのかも。



知らないままでいたかった。

2日前の自分に戻りたい。



お父さんにどこ行ってたの?なんて聞かなければ良かったという後悔でいっぱい。



あたしは一体どうしたらいいんだろう?

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