【完】溺れるほどに愛してあげる


メッセージは来なかった。


一晩中待っても来なかった。


時折鳴るバイブ音に心が踊っては、千景以外の子からのメッセージで何度も期待を裏切られた。





「今日も金田は来てないのか。
2学期から毎日来てたのになぁ…」





やっぱり無断欠席。


今日は金曜日なのに…土曜日、日曜日と会えないのに。


次会えるのは月曜日なのに…





「優愛のところにも連絡ないの?」

「…来てない」

「そっか…」





あからさまに元気のないあたしを見て、とっこはそっとしておいてくれる。


それに甘えてあたしも机に突っ伏した。


今は誰とも話したくない、と。

元気がない、とオーラを全開にして。



帰って、ベッドに寝転がりながらスマホの画面を眺める。


千景とのトーク画面。


日付は水曜日。


それまでは10分に1通くらいのやりとりをして、遅くても1時間以内にはお互い返しあっていたのに。



スクロールすると、他愛もない話ばかり積み重なっている。



連絡、してみようか。あたしから。


千景がメッセージを送ってこない理由はわからない。


わからないけど、あたしが話したい。

千景を感じたい。



待ってるだけじゃ絶対にダメな気がして…


『大丈夫?』


そんな簡素な一単語。


でもたくさんの想いが詰まってる一単語。


次は千景の番。


今度あたしは待つ番。





「お願い、返ってきて…」





その日はそのまま寝てしまった。


千景からの返信を期待して、次目を覚ましたら千景から返事が来ていると確信して。

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