【完】溺れるほどに愛してあげる
お節介
「貴方が参加するって言うまで、毎日ここに来る」
「…は?」
「近況を報告しに来るから」
半ば強引にあたしの言いたいことだけを伝える。
引いていたってどうにもならない。
金田が体育祭に興味を持つように、あたしからアプローチしにいくんだ。
そんなあたしが予想外だったのか、金田も坊主もその他5人もただ口をぽっかり開けてあたしを見つめるだけ。
「そっそれじゃあ、教室で待ってるから」
あの不良集団の勢いがなくなると、どこか居心地が悪くなる。
あんな怖いオーラをガンガン出してる人達が、揃って大口開けてあたしを見てるんだもん。
そりゃもう逃げたくなるさ。
…実際逃げたし。
でもあたしは頑張ったよ。
あんな怖い群れの中に1人で飛び込んで、言いたいこと全部言ったんだから。
…坊主の睨みにはちょっと慣れたけど…