【完】溺れるほどに愛してあげる


--Chikage:Side--


「…?こんなとこで何の話…?」





それは再び学校へ行かなくなって1週間が経った頃。


誰とも連絡をとっていない俺に陸からメッセージが来た。


たまに亮からメッセージが来ることもあるが返していなかった。


…優愛からは一通も来ていなかった。




あの時、家の前で優愛に名前を呼ばれた時は懐かしさと嬉しさで胸が弾んだんだ。


…と同時に辛くなった。


俺と優愛の間に被害者と加害者という新たな関係ができて。

俺はまだそのことにも、優愛が黙っていたことにもモヤモヤして心の整理が追いついていなくて。



このままじゃいけないとわかってはいるのに、どうすればいいかわからない。


優愛とちゃんと話をしたいのに顔を見たら思わず避けてしまって。


それからまた距離と時間を置いてしまって。



そんな、ここ一番でモヤモヤしていた頃。


『話がしたいのでここまで来てくれませんか』


いつもならスルーしてしまうLINEYを久しぶりに開いて返信する。


『わかった』


マップも一緒に送られていたので、急いで着替えて向かう。



思った通り、変な位置にある暗い倉庫街。


…本当にこんなとこに陸が呼ぶ?


そう思いながらも明かりのある方へ向かった。

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