【完】溺れるほどに愛してあげる


千景越しに目が合う2人が気になって仕方ないの…!





「ち、千景…」

「なに?」

「後ろ…」





さっきから、ちらちらと周りに視線を送っていたあたしを気にしていたのか少し不機嫌そうに後ろを振り返る。





「…は?!」





千景と目が合ったことで、申し訳なさそうに出てくる2人。





「とっこ、亮くん…」

「ご、ごめんごめん…」

「すっ、すみません!」





あたしと千景がここに来ることを聞いて、結構前から水族館にいたらしい。


…最初から見られてたってことか。


今思うと恥ずかしいかも…





「ラブラブすぎて私まで紅くなりそうだった…!」





そう言うとっこの隣の亮くんは、既に少し紅くなっていた。


んー…でも1つ引っかかることが。





「…そんなに仲良かった?2人とも」

「「えっ?」」





驚くタイミングもぴったりで。


ここまで一緒に来たってことでしょ?





「距離が近い」

「「えっ!?」」





同じタイミングでお互い相手から飛び退く。


…うん。息ぴったり。





「ふふっ」





気付けばあたしは笑っていた。


あまりにもとっこと亮くんの関係が良くて嬉しくなる。





「一緒に回る?」

「…え」





そんなあたしの提案に、千景は一瞬顔を曇らせたけど気付かないふりをした。


だって、一緒に回ったらより楽しいかもしれないじゃん?

< 149 / 154 >

この作品をシェア

pagetop