【完】溺れるほどに愛してあげる
「うぅー痛い…」
痛みを我慢しながら傷についた砂を洗い流す。
そんな中、目についた1人の人物。
この手洗い場からは校外の様子が見える。
その校外から体育祭で賑わう声を聞いている人物。
輝くような金色に男の人にしては少し長い髪。
そして煌めくピアス。
そう、間違いなく…
「金田 千景…」
もしかして、本当にちょっと興味わいた…?
それで来てくれたの?
嬉しい。ちゃんとあたしの気持ち伝わってたんだ…!
彼の名前を叫びたかったけど、周りには民家があってどうしてもすることができなかった。
それでもあたしの胸は密かに暖かくなっていった。