【完】溺れるほどに愛してあげる


あたしはこっそりと金田達についていき、公園まで誰にも気付かず来ることができた。



ぞろぞろと不良が集まっていく。


もう一発でわかる、怖いオーラ全開。



2つの集団が公園の真ん中で1つになったかと思えば、2人を残してみんな去っていく。



もちろん、その1人は金田。



え、やっぱり…喧嘩だよね。またする気なの!?





「ダメーーー!!!」





気付いたら2人に向かって全速力で走っていた。





「は!?何やってんの、あんた」





驚きを隠せない様子の金田。


何とか2人の間に入って両手を広げる。





「俺らタイマン張ってんだけど?」





ちょっとイラついてるのがわかる。





「また怪我したらどうするの!」

「なに、俺が負けるって?」

「勝っても怪我したら意味ないでしょ!」





また言い合いを始めてしまうあたし。


金田のこめかみに怒りマークがついてるように見える。


あ、ヤバい。また怒らせた…?





「ははは!
なに、この子が例の?」





一方、金田のタイマン相手──ナスのような濃い紫色の髪をした男の人はあたしを見てお腹を抱えて笑っていた。



例の子?!


なに、あたしの話されてるの…?


一体どんな話なんだろう…

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