【完】溺れるほどに愛してあげる
「格好いいねぇ〜。
さぁてどんな声を出すのかなぁ?」
…声?
声は…高らかに出す自信あるけど。
ニヤニヤするナス男に少し違和感を覚えつつ、警戒心をマックスにする。
するりと腰に手を回すナス男。
…今だ。
「はあっ!!」
ドンッと音とともに1人の男が宙を舞う。
上手く決まった。上手く、投げ飛ばせた。
そう。実はあたしのお父さんは刑事なんだ。
そのお父さんの影響で合気道を習っている。
今回は練習以上に手応えがなかったけど…
まぁ…それだけ力抜かれてたってことだよね。
「え、は…え?」
近くにいた金田は何が何だかわからない様子。
下のナス男は目をくるくると回して起きない。
…ちょっとやりすぎちゃったかも。
そんなことを考えていると、周りで見ていたらしい2つの集団が集まってくる。
…めっちゃ盛り上がった状態で。