【完】溺れるほどに愛してあげる
不安
「金田の彼女だった人…」
「そう。白百合学園の高嶺 美麗(たかね みれい)」
白百合学園というのはこの近くにあるお嬢様だけが通える女子校。
その中でも高嶺 美麗は超有名人で、他のことに疎いあたしでも知ってる。
「中学の頃に付き合ってたんだって」
可愛くて性格もいい…名前の通り高嶺の花だってよく聞く。
そんな人と…付き合ってたんだ。
昔のことなのにモヤモヤする。
それはきっと…彼女が動き出しているから。
金田が奪われてしまいそうで怖いから。
あたしのものでも何でもないのに…高嶺さんの元へ行ってしまうのは仕方のないことだとわかってるのに…
「大丈夫だよ!
付き合ってたって言っても別れてるんだから」
とっこはそんな風にあたしを励まそうとしてくれるけど…
でもやっぱり不安なの。
頭の中がどうしようって、そんなことでいっぱいになるの。