【完】溺れるほどに愛してあげる
「優愛さん!!」
すっかり亮くんも、他の子もあたしを見て嫌な顔をしなくなった。
逆にキラキラした目で見られることが多くなったような…?
「あれ、みんないつもと違うもの食べてるね?」
「さすがお気付きですか!」
いつもは昼休み、パンとか飲むヨーグルトとか飲むゼリーとか…そんなものばっかりだったのに。
今日は同じお弁当を食べている。
誰か作ってくれる人でも出来たのかな…?
「いや〜これはたか…」
「余計なこと言わなくていい」
「…すいません」
…たか?
嬉しそうに言う亮くんを黙らせる金田。
余計なこと…あたしは全部知りたいって思ってるのに教えてくれないんだね。
そのことに少し胸が痛くなる。
「…そっか」
いつもならもう少しここにいてみんなと喋るんだけど、さっきの金田の一言で黙ってしまって空気が重くなった。
どうも疎外感を覚えてしまう。
あたしは踏み込んではいけないんだなって感じてしまう。
予鈴のチャイムが鳴る随分前に屋上を出て教室へ戻る。
ちょっと近付けた…?なんて思い違いだったのかな…