【完】溺れるほどに愛してあげる


でも目に映る金田と高嶺さんは本当にお似合いのカップルで、あたしの入る隙なんてないように感じる。





「まぁ、俺はないと思ってるんすけどね」

「可能性は…あるよ」

「優愛さん?」





くるりと方向を変えて裏門から出ることにした。



金田と高嶺さんをこれ以上見ないように、現実から逃げるようにして。





「元カノ…か」





"元カノ"と検索すると



"元カノを忘れられない"

"元カノと復縁したい"

"元カノへの未練"



っていろんなサイトが出てくる。


あたしは元カレなんていないからわからないけど、1度は好きになった相手。


別れてしまっても気持ちはまだ残ってるかもしれない。


離れてから気付く想い、とかドラマでよく聞くし…



自分のベッドに寝転がりながら、枕に顔を埋めながら、ぐるぐるした頭をスッキリさせようと無心になってみる。



それでも浮かんでくるのは金田の顔。


そしてその隣で笑う高嶺さんの顔。



さっきの光景が忘れられない。

目を閉じても、脳裏に焼き付けられたあの2人の姿が消えない。



…消えないんだよ。



嫌なのに。嫌なのに、どこか仕方がないって諦めてる自分がいてもっと嫌になる。



それくらい、金田のことが好きなんだ…

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