【完】溺れるほどに愛してあげる



「うわああ…本当におっきい…」





やってきた週末。


着替えとか、色々バッグに詰め込んで来た亮くんの家。



THE お金持ちって感じ。


漫画とか、ドラマで見るようなお金持ちの家。





「あ、すぐに飲み物持ってくるんで部屋で待っててください!」





玄関を通されて、そこでも感動する。


しゃ、シャンデリア…綺麗…





「ああ、さんきゅ。行くよ」





金田は慣れたように大きな部屋の中を先導して歩いていく。





「何…これ!すごい…」





亮くんの部屋と思われるこの空間も…見たこともないくらい広くて唖然とする。





少しして亮くんが飲み物を持ってきてくれて漫画を読んだり話をしたり…あっという間に時間は過ぎた。


突然、一気に周りの熱が上がる。





「それでは恒例!カーレースの始まりだああ!」





行きにコンビニで買ってきた夜ご飯を済ませると亮くんが叫ぶ。



は?!カーレース!?


これから!?

いやいや…ご近所迷惑だし!





「…あ、なんだゲームか」

「本気ですると思ったの?免許も持ってないやつ多いのに」





そ、そうだよね…



亮くんが意気揚々と取り出したのはテレビゲーム機。


専用のリモコンを横に持ってゲームを始める。



最大4人までしかできないため、ゲームをする組と応援(賑やかし)組とに分かれる。





「え…ま、待ってずるい!そんな集団攻撃…!!あああ〜コースアウト…」





ゲームが始まると金田ともう2人がグルになってあたしに攻撃をしかける。


何回も亀のこうらを投げられて転ばされて、カーブも上手く曲がれなくて奈落の底に。





「ドンマイ」





ニヤリと笑う金田に人差し指を突きつける。





「もう1回!
次こそは勝ってやる!」

「勝てるもんならね」





さも自信があるように涼しげに言う。





「負けた時の言い訳でも考えてなさい!」

「負けないから大丈夫」

「吠え面かかせてやる…!」

「かかってきなさい」





ヒートアップしたあたし達を亮くんが鎮める。





「次のレースまでジュースでもどうぞ…」





絶対、絶対に勝ってやる…!

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