【完】溺れるほどに愛してあげる


「本当に仲良いんすね」

「えっ?」





金田が部屋を出てすぐに亮くんがそう言う。






「千景さんと優愛さん」

「そう…かな」





あたしと金田が…仲良し?


あんな風に金田と言い合ったりするのは楽しい。



更に好きだなって感じるし、好きな人とこうして話せるのは嬉しくて幸せだなって思う。



あたしは…ね。


でも金田がどう思ってるかはわからないから…





「そうですよ!あんなに楽しそうな千景さん初めて見ました」

「そうなの?!」





あたしからしたらみんなといる金田の方が楽しそうに見えるんだけど…



でも一番近くにいる亮くんがそう言うんだからそうなの…かな。



単純に嬉しいよ。





「ちょっと妬けるくらいです。な?」





亮くんの言葉に首を縦に大きく振るみんな。



金田にとって、あたしは何なんだろうか。


どんな存在?



…友達くらいには、なってる?





「僕も羨ましいです」

「陸くん」

「ちぃさんにあんな顔させられるって…きっと優愛さんは特別なんですよ」





陸くんの言う通り、金田の特別になれたら…



どれだけ嬉しいだろう。計り知れない。





「ふふっ」

「何笑ってんの」

「うわっ」





急にドアを開けて入ってくる金田。



そして目に入ってくる肌色…





「ふっ服着て!」

「着てるじゃん」

「上も!」

「暑い」





タオルを首にかけて、髪も濡れている。


そりゃもう30℃超す日も出てきて暑いけどさ。


っていうか男だけならそれでもいいけど!



…目のやり場に困るんだってばー!

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