【完】溺れるほどに愛してあげる


「えぇっと…」





そんな中、亮くんは少し口角を上げたままあたし達を交互に見やる。





「…仲良しですね?」





もう完全ににやけ顔でそう言う亮くん。


…楽しんでいるな?


金田がお風呂に入っている間に言われた"仲良し"


ほら、言ったでしょ?


と言わんばかりに目を合わされる。


うん、あたしはね?仲良しになりたいよ。

だって好きだもん…


金田にハグされた辺りから嬉しくて天にまで昇ってしまいそうだった。


でもきっと金田にとってのハグは、あたしが思ってるみたいな意味合いは含まない…と思う。





「〜っ!亮は部屋に戻って」





否定しない…


あたしは喜んでもいいの?


"仲良し"だって自惚れてもいい?




──俺はあんたのこと迷惑だとか思ってないから。


──(付き合ってると噂が立っても)俺は否定も肯定もしないよ。


──もう仲間みたいなもんだからな。


──こんなこと、初めて人に言った。


──あんたには知っててほしくなった。




金田がこんなことを言う度にあたしは嬉しくて自惚れそうになるんだよ。



…ねぇ、どういうつもりで言ってるの?



金田の気持ちが知りたい、なんて調子に乗りすぎ?

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