【完】溺れるほどに愛してあげる
うだうだとしていると、夏祭りは2日後に迫っていた。
今年は打ち上げ花火見れないんだ…
がっくりと机にうなだれた時、携帯が震えた。
見ると、亮くんからメッセージが届いていた。
『8月5日って空いてますか』
どうしてみんな夏祭りの日の予定を聞きたがるんだろう。
『夏祭り?』
『ってことは…もう誰かと行く予定してますか…?』
ぼっちなんだよ…だから行かないつもりなの。
『千景さんと…行ってくれませんか』
え…?
なになに、どういうこと?
金田はお祭りに行くつもりないんじゃないの?
どうしてあたしは亮くんからそんなこと頼まれてるんだろう…
『実は…』
亮くんの放った驚くべき事実に目を見張ったあたしは、瞬時に金田へメッセージを送っていた。
『夏祭り、一緒に行こう?』
金田がお祭りを嫌いでも…連れて行く。
それだけの理由ができた。