【完】溺れるほどに愛してあげる
『いいよ』
そんな返事が来るなんて予想もしてなかったからただただ驚くばかり。
え、いいの!?
時間と待ち合わせ場所もすいすいと決まり、もうずっと前から予定が組まれていたみたい。
ここ最近、いい意味で裏切られてばかりだな…
夏休みに入ると、もう会えない話せない…そう思っていたのに金田の方から連絡先を教えてくれた。
夏祭りも金田と一緒に行けないのかなってショックを受けて、とっこからも誘いを断られて…今年は打ち上げ花火を見られないんだ…って思ったら金田と夏祭りに行けることになって。
急に8月5日が楽しみになった。
浴衣…気合い入れよう。
髪型も気合い入れよう。
…あ。
でも家族には内緒。
とっこと行くことにしよう…ごめん、とっこ…口裏合わせて。
男の子と行くなんて知られたらニヤニヤ顔で詰め寄られるに決まってる。
そんなの…恥ずかしくていられないよ。
そうだ!とっこに言わないと。
金田と夏祭り行くことになったよって。
喜んでくれるかな〜喜んでくれるよね!
2人で並んでたらカップルに見えたりして…!
なんて妄想が膨らんでいく。
妄想くらい、いいよね?
妄想くらい、許して。
現実でそうなることなんて…万が一にもありえないんだから。