【完】溺れるほどに愛してあげる





それから怒涛の1週間が過ぎた。


今日は待ちに待った文化祭当日。





「優愛、可愛い〜!!」

「とっこも可愛い!似合ってる!」





あたし達はお揃いで色違いの衣装。


そこまでフリフリはしていないけどメイド服ちっくで、首元のリボンがアクセントになっている。


正直、二人とも一目惚れしたものだ。





「それにしても…来ないね」

「ん?」

「金田くん!」

「そ…だね」





1番に見せたかったのに金田はまだ教室にはいなかった。


どこいるんだろ…

まさか事故…とかじゃないよね?


参加するって言った金田が約束を破ってドタキャンなんてするわけがない。


寝坊か…頭を駆け巡るのは悪い予感。


お願いだからこの予感は当たらないで…





「仕方ないな…もう始まっちゃうし、やろう!」

「うん!」





そうして刻一刻と近付いてくる開店時間に胸が高鳴る。


テーブルやイスの準備はオッケー。


表に看板も出した。


あとは…お客さんを待つだけ。


高校2年生、最初で最後の文化祭が幕を開けた。

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