小悪魔な彼


でも話さなきゃ、先へ進めない。

私は何を恐れているんだろう。


「こうなることは、わかってたんだ。」


「えっ…?」


「この日が来ることは…わかってた。」


私は徐々に目線を上げる。


「でも…こんなに早く、来るとは思わなかった。」



ああ。わかった。


私が恐れていたのは、







この光を宿してない瞳で、
見つめられることだ。





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