小悪魔な彼

「変なこと言わないでよ!わ…私が本気になるわけ…」


「悪いけど、その気持ち受け取れないわ。」


―え…?


「小森くん!?」


音も無く現れた小森くんは、何食わぬ顔で私の隣に立っていた。


「なんで…ここに?」


ゆかりちゃんはびっくりして、大きな瞳をさらに見開いてその場に立ち尽くしている。


そりゃ驚くよな。
私だってびっくりだよ。


「学が教えてくれた。小笠原さんが急にいなくなったって。
だから…たぶんここかなって。」


小森くんは私ではなく、ゆかりちゃんを見ながら言う。


まるで追い詰めるかのように。



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