小悪魔な彼

「だってさ…


小森くんは突然振り返ると、私に向かって微笑んだ。


―小森くん?


「大事なのは今だって、教えてくれた人がいるから。

それに俺、一途だからさ。」


そして私の肩を抱き寄せる。


「この気持ちは、譲れない。
あんたも見つけなよ?
心から好きだって言える人。」


「小森くん……」


ゆかりちゃんは怒っているような、泣きそうな、何とも言えない表情で私たちの前から姿を消した。



< 330 / 338 >

この作品をシェア

pagetop