小悪魔な彼


軽めのキスから、だんだんと深さを増し


もう息が上手くできない。


涙目になってやっと離れると
優しく覗き込んでくる。


そっと私の髪に触れて、
その手は滑るように私の頬へ。


くすぐったくて、恥ずかしくて、目を瞑る。


そして柔らかい髪が首筋に触れたかと思うと、



「今夜寝かせられねーかも…」


なんて甘く囁いた。


それだけでボンッと私の顔は火照る。


いや、火照るなんてもんじゃない。


「だ…だめだよ!明日学校…」


なんて言ったって説得力はゼロ。


「ん、大丈夫。」


何が大丈夫なんだよ!って思わずツッコミたくなるけど


優しいキスの嵐に、温もりに、
私は抵抗なんて忘れる。


シーツを握り締める私の右手を
そっと上から重ねて



「可愛い…」


そう耳元で呟いたのを
快楽で霞んでいく景色の中で聞いた。



< 336 / 338 >

この作品をシェア

pagetop