ひょっとして…から始まる恋は
『久保田と!?』


私の話を聞いて彼女は目が飛び出したスタンプを送り付けてきた。
藤田君の結婚式の日に彼と再会して、連絡先を交換したと言っただけだ。


『ようやくか〜』


天音はクスッと笑うスタンプも添えてきて、私はそれを見て押し黙る。


『天音?』


ようやくってどういう意味かと問おうとした。
でも、先に返事が入ってきた。


『やっと動いたんだ』


何が?と文字を打とうとする前に、天音は続々と言葉を送ってくる。


『久保田ってば、高校の頃ユズばっか見てたから』

『絶対に好きなんだろうな、と思ってたんだ』

『だけど大学は地方に行っちゃって』

『そこでいろいろあったって聞いたけど』

『お正月に会った時、こっちに帰ると言ってたし』

『名刺を見せて貰ったらユズと同じ会社じゃん』

『だから絶対に何か行動するだろうなと思って』

『今日まで見守ってたんだよね』


それで冒頭の『ようやくか』に繋がるみたい。
私は驚きで茫然として、暫く反応ができずにじっとしていた。


『これでも私、こっそり心配してたんだよ?』

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