ひょっとして…から始まる恋は
天音の文字にハッとして、何が?と一言返した。


『だってユズが転職してたでしょ』

『久保田がショック受けてるだろうなと思って』

『でも、考えてみれば久保田と藤田君ていつも連んでたし』

『そっちから情報入るわよね』


一人で勝手に納得している。
確かにその通りだけれど、これじゃ私がラインを送った意味もない。


『それで?』


天音は少し間を空けてそう聞いた。
私はそれを見て身構える。


『告られた?』


ドキッとする言葉に狼狽えて、ななな…と変な文字の羅列を送ってしまった。


『やだ。ユズってば分かりやすっ!』


お腹を抱えて笑うスタンプまで入ってきて、こっちの顔の温度がどんどん上がる。

天音はヘェー、と感心した様な文字を打ち、久保田って今でもユズが好きだったんだね〜、と送ってきた。



(そっちか…)


ホッとしていると、再び『それで?』と訊いてくる。
私はもう狼狽えないぞと決意して、天音の質問が入ってくるのを待った。


『付き合うの?』


「ぶっ…!」


思わず下品にも吹き出してしまい、速攻で『ナゼ!?』と打ち返す。


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