ひょっとして…から始まる恋は
都合よく悪人みたいに仕立ててしまい、ズキズキと胸の中が痛んだ。


『そんなの黙っておけばバレないじゃん』

『そうだけど同じ職場に叔父もいるし』


そっちから情報が入らないとも限らない、私は姪なんだから…とこれまた都合よく親戚の特権を使った。


『あ、でも、これからも友人としてはラインで話そうと思ってて』

『それで今日も短い会話をしたんだけどね』


ほぼ挨拶だけのような会話を思い出して送った。

天音は久保田君が可哀想だ…と打ってきたけれど、職場の人間関係も大事よね、と理解を示してくれる。



『早くその先輩が久保田を諦めてくれることを願ってるわ』


good luck！とスタンプが入り、はぁー…と重い溜息を吐いた。
結局何の解決にもならず返って悩みが複雑になっただけのような気がする。



「……ごめん、天音…」


松下さんもごめんなさい…ともう一度声に出して謝り、明日からどうしよう…と情けなく肩を落とした＿＿。


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