ひょっとして…から始まる恋は
バンザイと両手を挙げるスタンプを送り返してくる久保田君は、時間と待ち合わせの場所を指定してくる。

それにオッケーと返事をしてラインを終えると、一緒に昼食を食べていた三波さん達から不思議がられた。



「なあに?いい事でもあったの?」


三波さんは向かい側から訊ねてきて、思わずギクッと肩が上がる。


「この頃楽しそうだもんね。何かいい事あったんでしょ?」


斜向かいに座る松下さんまでが視線を流してくる。

ギクギク…となりつつもいいことなんて何も…と返したが、二人はそれを信じる風もなくて。


「アヤシイ」

「うん、何か隠してる」


先輩二人の眼差しは鋭くてビクッと顔が引きつる。 
白状しなさい突っ込まれたが、まさか久保田君と夕食を食べる約束をしたとは言えず__。


「本当に何もないですよ。友達と晩ご飯を食べようって約束しただけ」


両手を上げて懸命に弁解。
久保田君は友達だし、別にウソを言ったつもりも何もない。
なのに、松下さんが彼のことを気に入ってるのを知ってるからなのか、妙に冷や汗をかいた。


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